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1953年に設立された日精株式会社(以下、日精)は、メーカー機能と商社機能を併せ持つ日立製作所の関連企業。メーカー機能としては主にビルやマンションの附帯設備として設置される機械駐車場を設計・製造する機械駐車設備部門、フリーズドライなどの高い技術を持つ凍結乾燥機部門などを展開。商社機能としては産業用機械や通信機器を中心に取り扱っている。特に地下設置式機械駐車設備では、業界トップクラスのシェアを誇るリーディングカンパニーとして名を馳せており、東京スカイツリーなど多くのランドマーク、オフィスビルに納入実績がある。近年は、東南アジアを中心にグローバルの事業展開も積極的に推進している。

エンジニアが現場でも操作しやすいタブレット上で稼働し、オフラインの利用も可能なi-Reporterは、当社の報告書をデジタル化するのに最適なツールです。

-- 日精株式会社 パーキングシステム事業部 メンテナンス本部 技術部 部長代理 及川知治氏 --

メーカー機能と商社機能を併せ持つ日精
機械駐車設備メーカーとして市場を牽引する

日精は、旧・久原財閥を源流とする久原商会を母体に1953年に設立された企業。1962年に設立母体の久原商事を吸収合併するとともに、同じく旧・久原財閥系の日立製作所、日本鉱業(現・JXTGホールディングス)、日立造船の資本参加を得て企業規模を拡大。現在は日立製作所の関連企業として安定成長を続けている。

同社の特長は、メーカー機能と商社機能を併せ持っている点だ。メーカーとしては機械駐車設備、凍結乾燥機を中心に事業を展開している。特に機械駐車設備の歴史は古く、1962年にドイツ・クルップ社との提携により事業に参入し、1963年には日本初の地下設置式機械駐車設備を製品化した。以来、機械駐車設備のリーディングカンパニーとして業界を牽引する立場にあり、オフィスビル、ホテル・デパートなどの商業用施設、マンション・集合住宅など、さまざまな駐車場ニーズに対応するパーキングシステムを作り続けている。

また、医薬や食品製造現場で使われる真空凍結乾燥機メーカーとしても定評がある。真空・凍結・乾燥・減菌技術を融合させた同社の凍結乾燥機は、幅広い領域で高いシェアを誇っている。2008年度には密閉チューブ方式の凍結乾燥機が日本産業機械工業会の機械振興賞経済産業大臣賞を受賞するという実績も持つ。

一方、商社としては有力専門メーカーと連携し、加工、溶接、塗装などの各種機器をはじめ、表面実装関連機器、プリント基板製造設備、公害防止関連機器、環境保全機器など先端メカトロニクス技術を駆使した産業用機械設備を取り扱っている。また、生分解性プラスチックなど環境に配慮した物資・化成品、高度情報化社会に適合した情報・通信機器などの製品・サービスを提供している。さらに近年は、グローバル化を見据えて海外へ進出。2013年には東南アジアにおける産業用機械、物資・化成品の販売を目的とした子会社をタイに設立している。

紙で運用してきたメンテナンス報告書
業務を非効率化する課題が山積

日精株式会社
パーキングシステム事業部 メンテナンス本部
技術部 部長代理 及川知治氏

機械駐車設備メーカーである日精では、設備の保守メンテナンスサービスも重要な業務の一つだ。機械駐車設備は数十年もの長期間使用し続けるため、安全な運用を担保するためには不可欠な業務となっている。そんな機械駐車設備のメンテナンス業務を担当するのが、パーキングシステム事業部 メンテナンス本部。同本部 技術部 部長代理の及川知治氏によると、日精では日本全国に約70カ所のサービス拠点を構え、各拠点の保守メンテナンス担当エンジニアが機械駐車設備の設置場所を定期的に巡回して保守点検作業を行っているという。

「当社では、全国約3,700カ所のビルやマンションと保守メンテナンス契約を結んでおり、サービス拠点のエンジニアが各ビル等に設置された機械駐車設備の保守点検作業を行って結果を報告書にまとめています。報告書は、契約先であるビルやマンションの管理会社、マンションの管理組合等に内容を確認してもらったのち、各拠点ごとに束ね、月1回程度の頻度でから本社へ送付しています」(及川氏)

日精株式会社
パーキングシステム事業部 メンテナンス本部
東日本メンテナンス営業部 部長 山内善光氏

この報告書は、日精が機械駐車設備を取り扱い始めてから60年以上にわたって、すべて紙で行われていた。ここに業務の効率化が進まない課題があったという。特に営業部門にとって大きな課題だったと、メンテナンス本部 東日本メンテナンス営業部 部長の山内善光氏は話す。

「営業部では、報告書に記載されている内容を見て、メンテナンスに必要な部品交換、設備の改修・更新などをお客様に提案することになります。しかし、本社に届いた紙の報告書の内容を確かめるのは、手間も時間もかかる作業でした。場合によっては、メンテナンスが必要な案件を見落としてしまうこともあります。また、各拠点から本社へ報告書が届くのは月1回程度なので、保守点検の結果をリアルタイムに把握できないことも大きな課題でした」(山内氏)

営業部が目を通す報告書は、毎月300~400枚程度。報告書の閲覧だけでも数時間を要していたという。情報の検索性がまったくない紙による弊害と言ってよいだろう。

オフラインで稼働し基幹システム連携が必須
すべての要件を満たしたi-Reporterを採用

こうした報告書に関する課題を解決するために、メンテナンス本部では及川氏が中心となって報告書のペーパーレス化を検討し始めた。

「紙の報告書をやめてデジタル化するにはどうすればよいか、手探りで模索しました。まず、考えたのはMicrosoft Excelを使って報告書をデジタル化するというものです。しかし、保守点検作業を実施するエンジニアが現場でパソコンを開いて入力作業を行うのは大変です。同様の保守メンテナンス業務を行っている他社の中には、エンジニアが拠点に戻ってからExcelに入力するようにしているケースもありましたが、それでは同じ作業を二度繰り返すことになり、効率的ではありません」(及川氏)

及川氏は解決策を探るべく、日精のIT部門である管理本部 情報システムセンタの元木裕哉氏に相談した。

日精株式会社
パーキングシステム事業部 メンテナンス本部
管理本部 情報システムセンタ 元木裕哉氏

「メンテナンス本部からの相談を受け、当初はWebベースの報告書システムを内製化できないか検討しました。しかし、内製化すると開発や運用管理の負荷がかかります。そこで当社の情報システム子会社であるニッセイコムを通じ、報告書に最適な帳票作成ツールを探すことにしました」(元木氏)

メンテナンス本部と情報システムセンタは、報告書のデジタル化に向けたプロジェクトを立ち上げ、ツールに求める要件を詰めていった。

「まず、エンジニアが現場でも操作しやすいタブレット上で稼働するツールを導入することに決めました。また、機械駐車設備の大半は地下に設置されており、電波が届かない場所も多いため、オフラインでも稼働するツールも要件にしました。さらに、設備が設置されているビルの物件情報を基幹システムからインポートできるシステム連携機能を備えていること、使い慣れた表計算ソフトで作成した報告書の画面を取り込めるデザインツールを備えていることといった要件も挙げました」(及川氏)

i-Reporterで報告書をデジタル化
保守サービスと営業部の業務効率化を実現

日精からこれらの要件を満たすツールを探して欲しいという依頼を受けたニッセイコムが提案したのが、シムトップスの「ConMas i-Reporter」(以下、i-Reporter)だった。

「私たちもさまざまなツールを探しましたが、当社の要件に合致していたのはi-Reporterが唯一でした。そのため、他のツールと比較することもなく、i-Reporterを採用することにしました」(及川氏)

日精エンジニアリング株式会社
東京中央サービスセンター センター長 小澤経一朗氏

日精では、まずは本社に近いサービス拠点にアップル製タブレット「iPad」を導入。i-Reporterをインストールしてデジタル化した報告書のPoC(概念検証)を入念に行った。PoCに協力した東京中央サービスセンター センター長の小澤経一朗氏によると、導入当初はエンジニアの間で戸惑いがあったものの、業務効率化の効果は大きいと話す。

「タブレットを使った報告書を導入したことで、お客様に保守点検の結果を理解してもらいやすくなりました。従来の紙の報告書では、複写紙を使って報告書の一部をお客様に渡していましたが、筆圧の関係で文字のかすれが生じたり、エンジニアが手書きした字が下手で読めなかったりしてクレームが入ることもしばしばありました。現在はタブレットで作成した報告書をモバイルプリンタを使ってその場で印刷してお渡ししているので、非常に分かりやすいと好評です」(小澤氏)

また、これまでは設備の不具合個所をデジタルカメラで撮影し、事務所に戻ってから写真をプリントして報告書に添付するという作業を行っていたが、現在はタブレットで直接写真を撮影して報告書の中に表示できるようになった。さらに、過去の点検履歴を確認したり、急遽必要になったマニュアルなどの資料を閲覧したりといったことも、わざわざ事務所に戻ることなく、現場でできるようになったことが大きな効果だと話す。

メンテナンス本部 東日本メンテナンス営業部 部長代理の齊藤正志氏によると、営業部にとってもi-Reporterの導入効果は絶大だという。

日精株式会社
パーキングシステム事業部 メンテナンス本部
東日本メンテナンス営業部 部長代理 齊藤正志氏

「報告書がデジタル化されたことで、営業に必要な情報をすぐに検索し、お客様にメンテナンスの提案を迅速に行えるようになりました。電話で指摘された不具合の個所も、リアルタイムの報告書を閲覧できるのですぐに確認できます。定量的な効果を計測しているわけではありませんが、間違いなく業務の生産性は向上したと思います」(齊藤氏)

メンテナンスの早期対応が可能に
経営層から高い評価を得る

報告書のデジタル化を主導した及川氏によると、今回のi-Reporterは経営層の評価も上々だという。

「従来の紙の報告書とは違い、デジタル化された報告書では点検結果をリアルタイムに監視し、メンテナンスが必要な場合には早期対応が可能になりました。これにより、お客様の視点に立った高品質のサービスが提供できるようになったと、経営層からは高く評価されています」(及川氏)

IT部門の元木氏は、報告書をデジタル化したことによって、データの二次利用を視野に入れているという。

「i-Reporterによって報告書をデータベース化することができましたが、今後は報告書のデータを“見える化”し、分析処理を行ってメンテナンスや営業活動に二次利用できないか、現在検討を進めています」(元木氏)

一方で元木氏は、i-Reporterに対する要望も忘れてはいない。

「ツールとしては非常に使いやすく、バグ対応を素早く実施してくれるなどシムトップスのサポート体制には非常に満足しています。いまはi-Reporterに関する機能の改善要望を上げていますが、これも迅速に対応してくれるものと期待しています」(元木氏)

日本を代表する機械駐車設備メーカーとして、パーキングシステム市場を牽引する日精。同社が注力する保守メンテナンス業務の効率化、品質向上を実現するためにも、i-Reporterは有効なツールとして今後も活用されていくに違いない。シムトップスでは、日精のように帳票のデジタル化を推進する企業の生産性向上を支援すべく、今後もi-Reporterの機能拡張や使い勝手の向上に取り組んでいく予定だ。

なお、今回の取材の模様を以下の動画にまとめてあるので、併せて確認いただきたい。

お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

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